|
放射年代測定に関する専門用語
- Atom 原子
- 化学物質を分解することができる最小の単位。その直径は1cmの100億分の4くらい。原子核(陽子と中性子)とその周りにある電子からなる。
- Closed System 閉鎖系
- 外界からどんな影響も交換も起こらない系(岩石、惑星など)。実際には、常に何らかの交換や影響を受けているが、その量が当のプロセスにとってはまったく考慮する意味のないほど小さいなら、実用的にはその系は閉鎖系と見なされる。これは、原子の漏出や取り込みが無視できるなら、年代測定にも当てはまる。
- Daughter 娘核種
- 放射壊変によって生成した元素、あるいは同位体
- Decay 壊変
- ある元素の放射性同位体が、他の元素の同位体に変わること。特定の同位体のみが壊変する。残りの元素は安定しているとされる。
- Element 元素
- 同一の原子番号(原子核中の陽子の数が同じ)を持ち、固有な化学的性質を有するもの。元素はさらに、質量と放射壊変を起こす性質の異なる持つ同位体に分けられる。
- Half-life 半減期
- 放射性同位体が壊変して、その数が半分になるまでの時間のこと。
- Igneous Rock 火成岩
- 溶融した溶岩からできた岩石。他に二つのタイプの岩石がある。すなわち、土や砂が互いに固まってできた堆積岩と長い期間熱にさらされて再結晶した変成岩である。
- Isotope 同位体
- 同一の元素に属し(原子番号が同じ)質量数の異なる原子。ほとんどの元素は、一つ以上の同位体を持っている。年代測定に使用される放射性同位体のほとんどに、少なくとも一つの安定な(訳注:放射壊変をしないということ)同位体がある。例えば、質量数(=陽子と中性子の総数)14である炭素14は放射性であるが、もっと一般的な同位体である炭素12と炭素13は安定である。
- Magma マグマ
- 岩石が高温で溶融した物質。それが冷え固まると火成岩になる。マグマが地表に噴出すると、溶岩と呼ばれる。
- Metamorphism 変成作用
- 岩石の結晶構造を変化させるほどではあるが、岩石を完全には溶融させないほどの高温に、長期間岩石がさらされること。変成作用は、放射年代を変えるか、リセットする傾向にある。しかし、放射年代測定法によっては、変成作用によるそのリセットの影響をあまり受けない場合もある。
- Nucleon 核子
- 原子核を構成する中性子と陽子のこと。
- Parent 親核種
- 放射壊変する同位体。それから生成する同位体は、娘核種と呼ばれる。
- Radioactive 放射性
- 物質が放射線を放出して変化すること。その変化、あるいは壊変の間、エネルギーは高速の光や重い粒子(主に電子やヘリウムの原子核)という形で放出される。
- Radiocarbon 放射性炭素
- 植物や動物の遺骸の年代決定に使用される炭素14のこと。一般に放射性炭素は、岩石の年代決定には使用されない。
- Radiometric Dating放射年代測定
- 岩石中に含まれる物質の放射壊変によって岩石が形成されてからの時間などの期間を決定する。放射年代測定は、地質学で使用される多くの年代決定法の一つである。
- Isochron Plotアイソクロンプロット(等時線図)
- 年代測定において、これは、一つの軸が親の同位体を表し、他の軸は娘の同位体を表すようなプロットのこと。同位体は親核種も娘核種も、放射壊変によって産生しない娘の同位元素に対する比率で表される。このタイプのプロットは、同位体の初期量に左右されず、ある年代に対応した一定の傾きを持つ直線(アイソクロン)を与える。
- Two-component Mixing 二成分混合
- 岩石が形成する時に、二つの異なる原料物質が混合され、見かけ上アイソクロンを与えること。このことは、アイソクロンプロットを使用する年代測定法で不正確な年代を、まれに導くことがある。この可能性がある場合は、二つ以上の年代測定法を使用したり、周囲の岩石の年代を測定することにより、得られた年代の検証を行う。
- Xenolith 捕獲岩
- 字義通りには、岩石内にある外から入った岩石の塊のこと。ある岩石は、その中により年代の古い岩石の断片を含む。これらの断片は、岩石の主要な部分が形成されるマグマ溜りから剥ぎ取られて、溶解しないでその岩石に取り込まれたものである。捕獲岩はほとんどの岩石では生じることはない。また、捕獲岩は、それらが生じた場所で普通は目で見分けることができる。見分けられない場合、それらは岩石の年代測定を誤る結果となる。その場合、その年代はより古い年代に形成された捕獲岩のものであるだろう。
|